株式会社コガネイモールド 様
営業では見積精度が上がりました 組み立て工程では工数の削減につながっています
現在シーセットでは、長年弊社製品をご愛顧頂いたお客様に感謝を込めて記念品の贈呈と、導入の経緯や使い方などの取材を行っている。第7回は、株式会社コガネイモールド様に訪問した。
<企業紹介>
長野県佐久市に本社を置く株式会社コガネイモールドは、1978年1月に樫山金型工業株式会社として創業した。精密樹脂金型を中心に、プレス金型や部品加工なども手掛け、2016年に株式会社コガネイのグループ企業となってからは、量産の成形まで行う部品メーカーとしての一面を持つ。今回は執行役員 営業本部長である、丸山 和生氏に話を聞いた。
御社の特長を教えて下さい
弊社では、約30年前から高精度な加工機を導入し、20年前からすべての部品を3Dで設計しています。これは、業界でも比較的早いタイミングでの投資だったと思います。そのおかげもあってか、自動車、医療、OA機器、住設など多種多様なお客様と取引をさせて頂いています。現在グループ全体でも、物売りからコト売りへの転換を意識しており、量産の成形まで請け負うことが出来るようになったことで、お客様の困りごとを解決できる幅が広がっていると感じます。
株式会社コガネイモールド
丸山 和生 氏
どんなきっかけで弊社製品を知りましたか?
社内で3Dビューアの検討をしている際に、色々な製品を検討しました。その中の1つの製品だったと記憶しています。
導入前に困っていたことは何ですか?
当時、取引先から手配される3Dデータを営業部門では見ることが出来ませんでした。都度、設計部門に依頼して図面や資料にしてもらい、設計の手を止めていたんです。また、せっかく3Dで設計しても、加工工程には2D図面を配布しており、細かい加工の指示や、組み立て指示などで不便さを感じていました。生産管理という視点でも効率の悪さがあったと記憶しています。
購入に至った決めては何ですか?
まず、3Dビューアを検討した際に、相対精度で表示している製品が多いなか、絶対精度でモデルを表示している「3DTascalX」が目に留まりました。それから、当時、弊社のCADはUnigraphics(現NX)を採用していましたので、CADと同じParasolidカーネルであることも、データの親和性という点で注目しました。
また、営業部門では、取引先からIGESやSTEPといったデータが支給されており、これらのデータ読み込みも必要でした。更に、検査工程での活用も想定しており、寸法精度という点も重要なポイントでした。
これらを総合的に考えた結果、「3DTascalX」を選びました。
記念品贈呈
どんな機能を使っていますか?また、効果はいかがでしょうか?
まず、生産管理部門で、対象パーツの最大外形などを計測し、鋼材手配に使っています。放電加工の工程では、加工ワークと電極の位置関係や加工条件などを設定する際に使っています。組み立て工程は、やはり3Dで見た方が圧倒的に理解し易いですね。特に製品部の把握がし易く、磨き範囲の特定に役立っています。検査工程では、図面で指示された箇所以外の部分を計測する際に、良く使っています。設計では、CADでうまく読み込めないデータを一度「3DTascalX」で変換してから読み込みし直すトランスレータとして活用することもあるようです。時折、自社で設計したデータを3DXに変換し無償の「3DXReader」で取引先に見てもらったりすることもありますね。営業部門では、製品データを確認し見積を作成しています。
効果を数字で言うのは正直難しいのですが、導入前は各工程で出来なかったことが出来るようになったことが一番大きいです。営業では見積精度が上がりましたし、組み立て工程では工数の削減につながっています。2D図面では判断が難しい部分ですから。
20年の中で、他のビューアやソフトを検討されたりはしませんでしたか?
考えたことが無かったですね(笑)。データの変換精度も良いですし、社内はParasolidデータで運用しているため、互換性は言うまでもありません。一時期アセンブリデータの取り回しが重いと感じた時期もありましたが、現在はそれも解消されましたね。使っている中で、不満がありませんので、変えようという議論になったことがありませんでした。
今後について
図面管理のような考え方のサービスやソフトウェアも面白いのではと思います。3Dデータに様々なデータを関連付け、複数の担当者でデータを共有できると活用の幅が広がるイメージがあります。例えば、前工程から次工程へ伝える加工指示のようなコメントなどです。また、これらをナレッジとして蓄積出来れば、更に面白そうですよね。